ベン・シャーン(1898-1969)は、1930年代から60年代までのアメリカ美術を代表する画家の1人です。リトアニアのカウナスのユダヤ人家庭に生まれたベン・シャーンは、8歳のとき家族とともにニューヨークに移住しました。13歳から石版画工房で見習いとして働き、アート・スチューデンツ・リーグなどの美術学校で版画や絵画の技術を学びました。
30年代初頭には、「ドレフュス事件」、「サッコとヴァンゼッティ事件」など無実の罪で裁かれた人々を描くシリーズで脚光を浴びます。第二次大戦後も、アメリカの公民権運動や、被爆した日本の漁船「第五福竜丸事件」を題材にしたシリーズを描くなど、一貫して迫害や差別、貧困などの社会問題をテーマにしました。しかし、ヒューマニズムの姿勢に貫かれたシャーンの作品は、声高に正義を叫ぶというよりも、静かに語りかけてきます。まるで震えるようなその線からは、無名の人々への深い愛情が伝わってくるようです。その独特の線の魅力は、世界中の多くのグラフィック・アーティストにも影響を与えました。
本展は、埼玉県朝霞市にある「丸沼芸術の森」の所蔵作品によって、ベン・シャーンの世界を紹介します。
会期
2006.2.11 [土] - 3.26 [日]
休館日
月曜日、祝日の翌日【3月22日(水)】
開館時間
10:00~17:30 (入場は閉館の30分前まで)
観覧料
一般700円(560円)、大高生560円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と65歳以上、障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名を含む)はいずれも無料です。展覧会入場時に確認いたしますので
・65歳以上の方は、年齢を確認できるもの(運転免許証、健康保険証等)をご持参ください。
・障害者手帳をお持ちの方は、手帳をご持参ください。
主催
埼玉県立近代美術館、丸沼芸術の森
助成
財団法人地域創造、芸術文化振興基金